休日の朝。
カーテンの隙間から差し込む柔らかな光に包まれながら、彼女はまだベッドの中にいた。
「んぅ……。」
小さく声を漏らしながら寝返りを打つ。

今日は予定のない休日。
目覚ましも鳴らない。
急ぐ理由もない。
だから彼女は布団の温もりを楽しむように、もう少しだけ枕に顔を埋めた。
「あと五分だけ……。」
そう言っていたはずなのに、結局三十分ほど経っていた。
ようやく起き上がった彼女は、少しだけ恥ずかしそうに笑う。
「えへへ……寝ちゃった。」
そんなのんびりした朝も、彼女らしかった。
―――
昼過ぎ。
身支度を整えた二人は街の本屋へ向かう。
休日の本屋は不思議と落ち着く。
紙の匂い。
静かな空気。
棚いっぱいに並んだ本達。
彼女は興味を惹かれた本を一冊ずつ手に取っていく。

小説。
エッセイ。
料理本。
時々立ち止まってはページをめくり、真剣な表情を浮かべていた。
「ねぇ。」
一冊の本を胸に抱えながら彼女が振り返る。
「この本、面白そうじゃない?」
その顔はまるで宝物を見つけた子供みたいだった。
しばらく店内を歩き回ったあと、彼女はお気に入りの一冊を見つける。
レジを終えて店を出る頃には、とても満足そうな笑顔になっていた。
「今日は良い本が見つかったなぁ。」
そう言って本を抱きしめる姿が、なんだか可愛らしかった。
―――
夜。
一日をゆっくり過ごした後。
彼女はベッドへと潜り込む。
昼に買った本は枕元に置かれている。
少しだけ読もうと思っていたらしい。
けれど。
休日を満喫したせいか、瞼はすでに重そうだった。
「今日は楽しかったね。」
小さな声でそう呟く。
そしてこちらへ顔を向ける。
「また今度、本屋行こうね。」
優しく微笑んだあと。
彼女は布団を抱きしめるように目を閉じた。
数分後には規則正しい寝息が聞こえてくる。
特別なことは何もない休日だった。
だけど。
好きな人と過ごす穏やかな時間は、それだけで十分幸せだった。

窓の外では静かな夜が更けていく。
そして彼女は、幸せそうな表情のまま眠りについた。

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