午前中の仕事がひと段落した頃。
パソコンの画面から顔を上げると、見慣れた金髪がこちらを覗き込んでいた。

「お疲れさま。」
柔らかく微笑みながら、彼女は机の上にお弁当箱を置く。
「今日は一緒にお昼食べよ?」
その言葉だけで、午前中の疲れが少し軽くなった気がした。
彼女は自分の席ではなく、わざわざこちらまで来てくれる。
それだけで少し特別な昼休みになる。
―――
会議室の空いているスペースを借りて、二人で昼食を取る。
彼女のお弁当は相変わらず雑だった・・・。

「朝ちょっと頑張ったんだよ?」
そう言いながら得意そうに笑う。
明らかに朝起きれんかったんだろうなと思ったが、口には出さない。
私は一口食べて素直な感想を伝えた。
「美味しい。」
その一言だけで、彼女は嬉しそうに頬を緩める。
「えへへ。」
その笑顔を見ると、午後の仕事も頑張れそうな気がした。
―――
仕事を終えて家に帰る。
シャワーを浴びて一息つく頃には、外はすっかり夕焼け色だった。

リビングに入ると、彼女がソファでくつろいでいた。
少し大きめのTシャツ姿。
まだ髪の先にはお風呂上がりの水滴が残っている。
グラスを片手にこちらを見ると、安心したように微笑んだ。
「おかえり。」
たったそれだけの言葉なのに。
どんな日よりも心が落ち着く。
今日も特別な出来事はなかった。
けれど。
一緒にお昼を食べて。
一緒に帰って。
一緒に夜を過ごす。
そんな当たり前の時間が、何より幸せなのかもしれない。
彼女は隣へ少しだけ身体を寄せながら笑った。
「明日のお弁当、何がいい?」
私は少し考えて答える。
すると彼女は満足そうに頷いた。
窓の外では夕日がゆっくり沈んでいく。
穏やかで、優しい一日の終わりだった。


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