【第4話】本屋デート|思わぬお気に入りとの出会い

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## 第4話 本屋デート

「夕食まで少し時間あるし、本屋に行こうか。」

そう声を掛けると、彼女は笑顔で頷いた。

「うん!」

本屋へ入ると、紙の香りがふわりと漂ってくる。

「久しぶりに来たな……。」

高校生の頃は、参考書を買うためによく通っていた。

新しい問題集が出れば本屋へ。

模試が近付けば本屋へ。

あの頃は何度も足を運んでいたのに、社会人になってからは本を読む時間もすっかり減ってしまった。

そんなことを考えながら歩いていると、自然と漫画コーナーへ足が向いていた。

本棚を眺めていると、一冊の漫画が目に留まる。

『転生したらファミリーカーだったので、この家族のために無事故無違反を目指します』

「……なんだこれ。」

思わず笑ってしまった。

異世界転生ものが流行っているのは知っている。

俺も好きな作品はいくつかある。

でも。

転生先がファミリーカーって、どんな発想なんだよ。

心の中で思わずツッコミを入れてしまう。

すると隣にいた彼女が、同じ漫画を指差した。

「これ見たことある?」

「いや、見たことない。」

「タイトルからしてインパクトすごいね。」

「面白いの?」

彼女は嬉しそうに頷いた。

「面白いよ!」

「発想が斬新なんだよね。」

「他の『転生したら〜』シリーズと違って、かなりギャグ漫画寄りだけど。」

「まぁ、タイトルだけでもギャグっぽいのは伝わってくるな。」

そう言うと、彼女は楽しそうに笑う。

「しかもね。」

「主人公はファミリーカーに轢かれて異世界へ行くんだけど……。」

「なんで転生した先もファミリーカーなの!?って感じなの!」

彼女は笑いながら身振り手振りで話し始めた。

どうやら、この漫画がかなりお気に入りらしい。

作品の魅力を一生懸命語る姿を見ていると、こちらまで興味が湧いてくる。

「あっ!」

彼女は急に口を押さえた。

「やばい!」

「語りすぎた!」

「ネタバレしちゃうところだった……。」

少し照れながら笑う。

「私は最新刊買ってくるね。」

そう言って、新刊コーナーへ小走りで向かっていった。

その後ろ姿を見送りながら、もう一度漫画を手に取る。

……少し気になる。

俺も一巻だけ買ってみようかな。

しばらくすると、最新刊を抱えた彼女が戻ってきた。

「お待たせ!」

「あれ?」

「一巻買うの?」

「私が貸してあげよっか?」

「そうだな。」

「一巻だけ借りて、面白かったら全巻買ってみるよ。」

彼女は満面の笑みを浮かべる。

「絶対面白いって言うよ!」

「読み終わったら感想聞かせてね!」

その嬉しそうな笑顔を見ていると、本を買うより先に感想を伝えたくなってしまう。

「よし。」

「そろそろ行こっか。」

時計を見る。

18:30。

夕食にはちょうどいい時間だ。

「夜ご飯、どうする?」

彼女が期待したような表情でこちらを見る。

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