【第3話】映画デート|バトルコマンドー ~復讐の戦士~

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## 第3話 映画デート

「じゃあ……。」

上映作品のポスターを見渡しながら、俺は一つの作品を指差した。

「これにしよう。」

『バトルコマンドー ~復讐の戦士~』

彼女はタイトルを見て、小さく笑う。

「ふふっ。」

「男の子ってこういう映画好きだよね。」

「バレた?」

思わず笑い返す。

実はこの映画、ずっと公開を楽しみにしていた。

主演は世界的アクション俳優、アドルフ・ネイガー。

圧倒的な肉体と豪快なアクションで、どんな敵でも真正面からねじ伏せる。

爆発。

銃撃戦。

そして決め台詞。

昔からこのシリーズが大好きだった。

気付けば俺は、作品の魅力を夢中で語っていた。

「あっ、ごめん。」

「また語りすぎた。」

少し恥ずかしくなって頭をかく。

すると彼女は優しく笑った。

「ううん。」

「私、アドルフ・ネイガーの映画って見たことないから楽しみ!」

その一言だけで、なんだか嬉しくなった。

上映開始。

館内が暗くなる。

スクリーンいっぱいに映し出される大迫力の映像。

爆発音が劇場に響き渡る。

俺は映画に夢中になっていた。

……でも。

途中から、映画以上に気になるものがあった。

隣に座る彼女だ。

流石に大きな声は出さない。

けれど。

敵を倒すたびに、小さく拳を握る。

驚く場面では肩がぴくっと動く。

そして――

アドルフ・ネイガーが最後の敵を倒した瞬間。

彼女は誰にも気付かれないくらい小さく。

「よしっ!」

とガッツポーズをしていた。

思わず吹き出しそうになる。

普段は穏やかで優しい彼女。

そんな彼女が、まるで子どものように映画を楽しんでいる。

今日は意外な一面を見ることができた。

それだけでも、この映画を選んで良かったと思えた。

上映終了。

劇場の照明がゆっくり明るくなる。

彼女は満面の笑みだった。

「楽しかった!」

「私、アドルフ・ネイガーのファンになっちゃった!」

そう言うと、彼女は小走りで売店へ向かっていく。

「パンフレット買ってくる!」

嬉しそうな後ろ姿を見ながら、自然と笑みがこぼれた。

少し待っていると、パンフレットを大事そうに抱えた彼女が戻ってきた。

「宝物が増えちゃった。」

その笑顔は、映画が始まる前よりもずっと輝いて見えた。

映画館を出る。

時計を見る。

16:00。

夕食の約束までは、まだ少し時間がある。

「この後どうする?」

彼女が期待したような表情でこちらを見る。

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