## 第2話 待ち合わせ
あと5分だけ。
そんな考えが頭をよぎる。
……
いや。
今日はちゃんと起きよう。
布団からゆっくり体を起こす。
何度も遅刻して、彼女を心配させてきた。
今日はちゃんと時間どおりに行こう。
洗面所で顔を洗い、鏡を見る。
「よし。」
服を着替え、髪を整え、忘れ物がないか確認する。
財布。
スマホ。
家の鍵。
全部ある。
時計を見る。
10:55
「そろそろ行こう。」
玄関のドアを開ける。
今日は気持ちのいい晴れだ。
自然と足取りも軽くなる。
◇
待ち合わせ場所。
時計を見る。
11:48
「少し早く着きすぎたかな。」
今日は余裕を持って到着できた。
辺りを見回す。
まだ彼女の姿は見当たらない。
「たまには待つ側になるのも悪くないな。」
そんなことを考えていると──
「おーい!」
聞き慣れた声が聞こえた。
振り向くと、笑顔でこちらへ駆け寄ってくる彼女がいた。

ふわっと揺れる金色の髪。
優しい笑顔。
見ているだけで安心できる、柔らかな雰囲気。
それが俺の彼女。
「お待たせ!」
「いや、今来たところ。」
そう答えると、彼女は少し驚いたように目を丸くした。
「本当に? 私より先に来てるなんて珍しいね」
「私の方が早いと思ってたんだけどな〜。」
そう言って、くすっと笑う。
からかわれているのに、不思議と嫌な気はしない。
「またぼーっとしてる。」
彼女は少しだけ前を歩きながら振り返る。
「ほら、早く行こ?」
その笑顔につられて、自然と笑みがこぼれた。
今日は映画を見る約束だ。
◇
映画館へ到着。
休日ということもあり、館内は多くの人で賑わっている。
上映作品のポスターを見ながら、彼女がこちらを向く。
「今日は何の映画見るの?」


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